トイファクトリーのレンタルキャンピングカー
Share Camper<シェアキャンパー>
生粋のサイクリストであり、自転車専門誌やWEBのエディター/ライターである”浅野真則”が、トイファクトリーではキャンピングカーと一緒にミニベロもレンタルできるサービスを行っているということで、キャンピングカーをレンタルで初体験しながら、ミニベロもレンタルして6ホイールトラベルを楽しんできました!
トイファクトリー土岐店からレンタルして今回行ってきたのは、飛騨の白川郷~高山~富山県氷見。いったいどんな旅になったのか。
※6ホイールトラベルとは、キャンピングカーの4輪+自転車の2輪、あわせて6つのホイールで楽しむスタイルの旅です。トイファクトリーでは土岐店と東京店でキャンピングカーとミニベロのレンタルも行っていて、気軽に6ホイールトラベルを楽しむことができます。
1日目
A11:00ごろ トイファクトリー土岐店出発
→土岐南多治見IC
→PM1:00ごろ ひるがの高原SA(昼食)
→飛騨清見IC(通行止めのためここから一般道へ)
→15:00~16:30ごろ 白川郷(サイクリング)
→白川郷IC
→氷見IC
→18:00ごろ 道の駅氷見(軽く自転車散歩・夕食・温泉入浴・車中泊)
※当初の予定では、ひるがの高原SA出発後、氷見を目指す予定だったが、高速道路が通行止めで迂回を余儀なくされ、急遽白川郷に立ち寄り、氷見のサイクリングを2日目AMに実施することに。
2日目
起床後道の駅周辺を散歩
午前中氷見市内サイクリング
昼食後、道の駅氷見を出発
→氷見IC
→高山IC
→16:00~17:30ごろ 高山・古い町並み(サイクリング)
→高山IC
→土岐南多治見IC
→20:00ごろ トイファクトリー土岐店
実は今回がキャンピングカー初体験。キャンピングカーというとトラックをベースにした大型なものを想像していましたが、最近はバンをベースにした「バンコン」というタイプが主流だそうです。トイファクトリーのキャンピングカーのレンタルサービス・シェアキャンパーで借りられるのもこのタイプ。外観はトヨタのハイエースそのもので、乗車人数によって標準タイプとスーパーロングタイプの2種類から選べます。今回お借りしたのはスーパーロングタイプ。乗車定員7人、就寝定員4人のゆったりサイズで、一人で使うには十分すぎるほど広いです。車のサイズは大きいですが、普通免許で運転可能。ちょっと大きめのミニバンという感じです。「車体が長いので、曲がるときは内輪差には気をつけてくださいね。車体の高さも2.4mあるので、高さ制限があるところは気をつけてください」とスタッフさん。さて、トイファクトリー土岐店で引き渡しの手続きを済ませたら、必要な荷物を積み込みます。荷物やミニベロ積んでもまだまだスペースには余裕があります。
では、出発です!!
ボディが箱形なので車両感覚は意外につかみやすく、ルームミラーはモニター式なのでかなりクリアに見えます。思ったより運転しやすいな、というのが正直な印象です。
土岐南多治見ICから高速道路に乗り、東海環状道から東海北陸道へ。順調にドライブしてお昼過ぎにはひるがの高原SAに到着しました。高原のさわやかな風が吹き抜けるSAでお勧めです。
ここでランチにしましょう!今回の食事では、極力地元のグルメを味わうことをテーマにします。そこでここでは鶏肉と野菜を特製のたれで炒めた奥美濃の郷土料理・鶏ちゃんを丼にした「けいちゃん丼」(830円)をいただきました! 野菜にも鶏肉にも味がしみていて、とても美味! あっという間に完食しました!お腹がいっぱいになったところで再スタート。氷見を目指す予定でしたが、この日はあいにく事故の影響で東海北陸道が飛騨清見IC―白川郷IC間で通行止めになっており、一般道への迂回を余儀なくされました。そのまま氷見を目指してもいいのですが、ここは予定を変更して世界遺産の白川郷に寄り道して現地で軽くサイクリングを楽しむことにします。運行ダイヤに制約される公共交通機関の旅だとこうはいきませんが、思いつきでプランを変更する臨機応変な旅を楽しめるのは6ホイールトラベルの魅力だと思います。
下道をのんびり走り、15時すぎに白川郷の公営駐車場に到着しました。今回レンタルしたスーパーロングサイズのキャンピングカーは、基本的に普通車の駐車場に入れますが、ボディの全長が5.4m弱と一般的な普通車と比べて長いため、駐車スペースが広い駐車場を利用するのが良さそうです。
ここからはミニベロを使って合掌造りの集落を散策します。今回レンタルした折りたたみ式のミニベロbirdy airは、慣れれば1分ほどで折りたたんだり復元したりできます。さくっとバイクを組み立て、ヘルメットを装着したら出発です!
ミニベロはママチャリより速く、ロードバイクほど速くは走れませんが、町を散歩がてら走るのにちょうどいいスピード感です。歩くよりラクに遠くに行けるので、行動範囲も広がります。しかも車輪が小さいので小回りがきき、クルマのように駐車場所を取らないので、通行の邪魔にならない場所なら思い立ったところで立ち止まって写真を撮ったり、気になる店があればふらりと立ち寄ることもできます。まさに町乗りの相棒としてピッタリ! この日は白川郷の路地をいろいろ巡って撮影スポットを探したり、歩きだとちょっと行くのをためらうような少し遠い場所まで足を延ばしました。町の中心部から少し外れたところにある合掌造りの建物を遠望するスポットも徒歩だとかなり時間がかかりますが、自転車ならスイーッと来ることができます。白川郷にあったマンホールには合掌造りの建物が描かれていました。
もちろんグルメも忘れてはいません! ちょうどおやつの時間を過ぎて小腹が減ってきたのと、夏空のもとで自転車散歩を楽しんだので冷たいものが食べたくなりました。自転車でブラブラしながら見付けたのが、白川郷おみやげ処かたりべの「合掌もなかアイスクリーム」(400円)。アイスクリームはご当地牛乳の飛騨牛乳で作られていて、ミルクの濃厚な味わいが暑さで溶けそうな体に染みわたりました!合掌もなかアイスクリームなどのスイーツのほか、お土産も扱う「かたりべ」。合掌造りの建物の形をしたもなかで飛騨牛乳で作ったアイスクリームをはさんだ合掌もなかアイスクリーム。冷たくて美味!
白川郷を出発して2時間ほどで富山県氷見市へ。この日は道の駅氷見で車中泊します。ここを拠点にしたのは、もちろん車中泊ができるからではあるのですが、天然温泉が楽しめる日帰り入浴施設が道をはさんで隣にあるのがポイントでした。
到着後、日没まで少し時間があったので、道の駅の近くを自転車で散歩しました。漁港に行くと「忍者ハットリくん」の大きな壁画がありました。氷見は漫画家・藤子不二雄A先生の出身地なのです!
今回レンタルした自転車birdy airはリア9段変速で上りも軽快そのもの。のんびり走るのもスポーティーな走りもお手のものです。日没後、道の駅から車で10分ほどのところにある食彩居酒屋「灘や」で夕食。やっぱり氷見に来たら海の幸を堪能したい! ということで、刺身や天ぷらなど日替わりの小鉢が楽しめるたまて箱定食(1000円)をいただきました。たまたまカウンターで一緒になったお客さんに氷見の絶景スポットなどをうかがいました。
「このあたりはナショナルサイクルルートの富山湾岸コースが通っていて、海沿いを自転車で走れるよ。高台から富山湾を見下ろすポイントもあるからぜひ行ってみて」
と教えていただき、翌日のサイクリングが楽しみになりました。
道の駅に戻り、車の駐車場所を比美乃江公園水辺広場に決めました。こちらの方が海が近く、風の抜けがいいため、涼しかったからです。窓を少し開けて天井の換気扇を回すと、エアコンなしでも過ごせそうなほどでした。地元の三重県ではこのところエアコンなしでは眠れないほど暑いので信じられません。先ほどの灘やのご主人の話だと、氷見の沿岸は山からの冷たい伏流水が流れ込んでいるとのことだったので、そのおかげかもしれません。
着替えなどを準備して、向かいの氷見温泉郷総湯へ。温泉につかっていると、一日の疲れが温泉でほぐれていくようです。一日のシメにおいしいものを食べて温泉につかれるとは、幸せなことこの上なしです。湯上がりの火照った体を夜風でクールダウンしがてら少し散歩し、キャンピングカーに戻ったところで午後10時。キャンピングカーの夜はあえてデジタルデトックスをしてじっくり読書をするのもよし、集中できる環境でノマドワークに励むのもよし。星がきれいに見える場所なら夜空を楽しむのも良さそうです。僕はデスクを出してパソコンで明日のサイクリングのルートの下調べをしました。ローテーブル前にあぐらをかく和室スタイルで過ごしましたが、室内高も普通のミニバンより余裕があり、圧迫感もありません。予想以上に快適でした。今回の僕のように1人旅なら、もうワンサイズ小さいタイプのキャンピングカーでも十分かもしれません。
後部座席を倒してフルフラットにしてサードベッドを作った状態は長さ190cm、幅120cmのセミダブルサイズで、平均身長より高めの成人男性が横になってもゆったり過ごせます。
さて、明日もサイクリングに長距離ドライブが待っているので早めに就寝します。おやすみなさい。
翌朝はカーテンから差し込む日光で目が覚めました。僕は寝具が変わるとあまり眠れないタイプなのですが、夜中に目が覚めることもなく熟睡できました!
身支度を調え、少し公園を散歩してからサイクリングに出かけます!
富山県の沿岸部には、日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルートとして国の認定を受けた「ナショナルサイクルルート」の「富山湾岸サイクリングコース」があり、道路にルートであることを示す青い矢羽根やライン、サインマークが描かれています。氷見市もサイクリングのモデルコースを紹介しています(https://cycling-himi.com/)まずはナショナルサイクルルートに沿って海沿いを南へ。しばらくは幹線道路を走りますが、やがて海岸沿いの遊歩道のような道に入りました。左手には砂浜が広がり、かなり海の近くを走れます。太陽の光を浴びて輝く富山湾を見ながら潮風を浴びて走れるなんて、最高です! 道中には自転車をかけられるサイクルラック完備のカフェなどもあり、地域を挙げてサイクリスト歓迎なのがうかがえます。ナショナルサイクルルートの富山湾岸サイクリングコースに沿って海沿いを走ります。サイクルルート沿道のカフェやコンビニなどにはサイクルラックが設置されているところが多く、休憩にも便利です。このままずーっと海沿いを走っていたいところでしたが、雨晴海岸で折り返し、今度は内陸部を目指します。そこそこアップダウンはありますが、今回レンタルしたbirdy airは10kgを切る軽さとリア9段の変速があるので、上りも軽々走れます。平地や下りはロードバイクとまではいきませんがかなり軽快な走りを楽しめるので、1時間で15kmぐらいなら簡単に走れてしまいます。氷見市のマンホールには寒ブリが描かれていました氷見市の内陸部は田んぼが広がっていてところどころに集落があり、昭和のころの日本の農村の風景が残っています。昭和生まれの僕にとっては、こういう風景はどこか懐かしく、感傷的な気持ちにさせてくれるので好きです。田んぼが広がるのどかな景色の氷見市の内陸部。田んぼの近くは夏でも意外に涼しかったです。
さらに高台から富山湾を望む風景を求めて、阿尾城跡にやってきました。16世紀中ごろに菊池武勝の居城として築城されたとされますが、現在は公園として整備されています。公園は厳しい上りなので、自転車を押して歩きます。遊歩道の途中、木々の間から富山湾を一望するスポットがありました。氷見を観光する上で忘れてはいけないのが藤子不二雄A先生の足跡を尋ねること! 魚市場にある「忍者ハットリくん」の巨大壁画をはじめ、商店街に氷見の寒ブリと「忍者ハットリくん」の登場人物がコラボした像や「プロゴルファー猿」の主人公・猿谷猿丸の像、町を流れる湊川には「忍者ハットリくん」のからくり時計など、市内中心部の至るところに作品にちなんだ写真スポットがあります。子どものころリアルタイムで見た作品ばかりで、思わず童心に返ってアニメの主題歌を口ずさんでしまいました。氷見市の中心部にあるポケットパーク。同市出身の漫画家・藤子不二雄A先生の作品「忍者ハットリくん」の登場人物が氷見の寒ブリに乗る像がありました。これ以上氷見らしいスポットはない!?ポケットパークには藤子不二雄A先生の「プロゴルファー猿」の主人公・猿谷猿丸の像もありました氷見のサイクリングのシメはやっぱり温泉! 日帰り温泉で汗を流すのもおすすめですが、この日は時間がなかったので道の駅にある足湯で軽く足の疲れを取りました。ここは無料で利用できて、海を見ながら足湯に浸かれるのでおすすめです!(午前8時30分 ~ 午後5時30分)キャンピングカーに戻って水に濡らしたタオルで体を拭き、着替えたところでランチへ。前日営業時間外で行けなかった氷見漁港の魚市場食堂へ向かいます!
魚市場食堂は、氷見漁港の建物の2階にあります。漁港で水揚げされたばかりの旬の魚介を堪能できるとあって、週末は順番待ちができるほどの人気です。ピークの時間を外したのであまり待たずに入店することができました。僕が頼んだのは、その日水揚げされた刺身や軽く炙ったたたきをぜいたくに盛り付けた氷見浜丼。サイクリング後ということでお腹もすいていたので、思わず大盛りのはんさ盛りを注文しました。漁師汁がついて2480円となかなかいい値段でしたが、味やボリュームを考えたら納得。とくに刺身はハマチやぶりなど数種類の刺身だけでなく、軽く炙ったたたきもあるので、途中で飽きることなく、とてもおいしくいただけました!季節や水揚げによってどんな刺身が食べられるかはお楽しみだそうです。
ランチを食べ、ガソリンを給油したりしていたら午後2時ごろになりました。このまま土岐に戻ると夕方には帰れますが、せっかくここまで来ているので帰り道に飛騨高山に寄り道することにしましょう。
高山市の市営駐車場に着いたのが午後4時ごろ。そこから自転車を下ろして古い町並みを自転車で散歩します。高山の古い町並みは、かなり広域にわたって広がっているので、徒歩でいろいろ回ろうと思ったら半日から1日ほしいところですが、自転車なら1時間程度でめぼしいところは回れてしまいます。宮川沿いの酒造所。高山は町のいたるところが絵になります。高山市を流れる宮川。擬宝珠つきのレトロな橋も風情があります。
写真映えするポイントを探しながら撮影しては走り、撮影しては走りと存分に自転車散歩を堪能するうちに小腹が空いてきました。この日の高山は夕方でもそこそこ暑かったので、夏らしい冷たいスイーツが食べたいところ。スマホで調べたら地元の老舗和菓子店「稲豊園」の水まんじゅうがおいしそうだったのでさっそく向かいました。高山市で120年以上続く老舗和菓子店「稲豊園」。水まんじゅうは同店では夏の一番人気のスイーツだそうで、寒天と吉野本葛粉でできたぷるぷるの生地の中にさまざまな味のあんがくるまれています。味はプレーン(小豆こしあん)、黒糖(小豆粒あん)、抹茶(ミルクあん)、木いちご(木いちごあん)、マンゴー(マンゴーあん)の5種類あり、ばら売りで1個200円。いろいろな味が食べたくなりますが、僕はオーソドックスなプレーンと店員さんおすすめの木いちごをいただきました。小豆こしあん入りのプレーン(写真右)はオーソドックスながら上質な味わい、木いちご(写真左)はやや酸味があって夏にピッタリのさわやかな味わいでした!時間があればじっくり高山を巡りたいところではありますが、キャンピングカーと自転車の返却時間が迫っているので今日はここまで。夕日の差す高山をあとにし、安全運転でトイファクトリー土岐店を目指します。
さて、今回初めてキャンピングカーとミニベロを組み合わせた6ホイールトラベルを体験しました。僕は普段からハッチバックタイプの普通車にロードバイクを積んで遠征することもあるのですが、泊まりの場合は車中泊ではなく宿泊施設に泊まります。もちろん事前に宿を手配することになりますが、キャンピングカーなら車中泊OKな場所であれば泊まれるので、そのような場所を探せばよいという気軽さはあります。チェックインやチェックアウトの時間を気にせず、マイペースで過ごせるのもいいなと感じました。また、公共交通機関と違い、寄り道や旅程の変更が気軽にできるのも魅力といえるでしょう。今回、高速道路が通行止めだった影響で当初の旅程を変更することになりましたが、初日に思いつきで白川郷に立ち寄ることにしたり、2日目の帰り道に高山に立ち寄ることができたのも、キャンピングカーの旅だからこそです。ミニベロは旅先での移動手段として最高でした。折りたたみなので車中でもそれほど場所を取らないし、白川郷や飛騨高山のような観光地では、少し離れた場所の駐車場にキャンピングカーを駐車して、現地での移動は自転車を使えるのがポイントです。自転車は徒歩より行動範囲が広く、移動スピードも速い上に、クルマより駐車スペースを取らず細い路地も自在に走れるため、短時間でも密度の高い観光が楽しめます。もちろんその町の空気やにおいを五感で味わうことができるので、その町の魅力をよりダイレクトに楽しめることにもつながります。
改めて6ホイールトラベルの魅力を知り、すっかり虜になってしまいました。さて次はどこに行こうかと、帰ってきたばかりですが考えてしまいます。
【プロフィール】
サイクリスト/自転車専門誌やWEBのエディター・ライター
浅野真則