2026/09/26 カテゴリ:東川
9月は「防災」を改めて考える月です。
1923年9月1日に発生した関東大震災をきっかけに制定された「防災の日」、そして台風などの自然災害が多くなる時期でもあることから、毎年9月には防災への意識が高まります。
今年の9月も、改めて「もしものときに、私たちは何ができるのだろう」と考える機会が多かったように思います。
そんな「防災」と、実は深いつながりを持っているのが、トイファクトリーのキャンピングカーです。
はじまりは「ECOキャンパー構想」
トイファクトリーが防災を意識するようになったきっかけの一つが、2009年に始まったソーラーシステムの開発です。

当時、トイファクトリーでは「ECOキャンパー構想」を掲げ、自然の中で環境に配慮しながらアウトドアを楽しむための技術として、ソーラーパネルの開発を進めていました。

キャンピングカーを、もっと自然の中で楽しむために。そんな思いから生まれた技術でした。

ところが、2011年の東日本大震災で、その意味が大きく変わります。
被災地では、電力が十分に使えない状況の中、ソーラーシステムを搭載したキャンピングカーが、携帯電話などの充電スポットとして活用されました。

また、車内のテレビを使って情報を得る場所としても役立ちました。
「キャンピングカーは、災害時にも人の役に立つ。」
この経験は、藤井社長にとって大きな転機になったと聞いています。
キャンピングカーは、旅や遊びを楽しむためのもの。でも、それだけではない。
普段は家族との旅を楽しみ、もしものときには、人を守るための場所にもなる。そんな可能性が見えてきました。
「遊ぶクルマ」から「地域を支えるクルマ」へ
その後、キャンピングカーが災害時の避難場所や生活空間として活用できるという考え方は、少しずつ広がっていきました。
そしてトイファクトリーが次に目を向けたのが、「個人が所有するキャンピングカー」だけではなく、「地域そのものを支える車両」です。

2023年6月。トイファクトリーは、地方自治体向けの新しい公用車両「MARU MOBI(マルモビ)」を発表しました。
第一号車は岐阜県可児市への導入が決定。

1台の車両を、多方面・多目的に活用する「マルチパーパスモビリティ」という考え方から生まれた車両です。
マルモビの特徴は、「災害時だけ使う車両」ではないこと。

普段は人員輸送や地域活動、イベント、移動事務所、物資輸送など、地域のさまざまな場面で活躍する。

そして、災害が起きたときには、物資輸送や救護、休憩スペース、指揮所など、その状況に応じて役割を変える。

つまり、「平時に使えるものが、有事にも役に立つ。」という発想です。

これは、現在注目されている「フェーズフリー」という考え方にもつながっています。
「防災のために備える」から「いつものものが防災になる」へ
防災というと、「非常食を買っておく」「防災用品を準備しておく」「災害用の車両を用意しておく」といった、“もしものための備え”を思い浮かべる方が多いと思います。もちろん、それらは大切です。
一方で、マルモビが目指しているのは、もう一つの防災の形です。
それが「備えない防災」。

普段から使っている車両が、災害時にもそのまま役に立つ。毎日の仕事で使っているからこそ、いざというときにも使い方が分かる。
災害が起きなければ無駄になるのではなく、日常の中で価値を生みながら、非常時にはさらに大きな役割を果たす。そんな考え方です。

そして2026年9月、マルモビは日本初となる「業務用車両としてのフェーズフリー認証」を取得しました。
平常時からさまざまな用途で活用しながら、災害時にも機能を発揮できることが第三者機関によって認められた形です。
キャンピングカーだからこそできること
振り返ってみると、トイファクトリーが長年つくってきたキャンピングカーの技術は、もともと「日常と非日常の境界」を越えるものでした。

旅先で寝る。食事をする。電気を使う。暑さや寒さをしのぐ。トイレを使う。家族や仲間と過ごす。

それは、災害時に必要になることと、とてもよく似ています。
だからこそ、キャンピングカーで培ってきた技術やノウハウを、災害時だけではなく、地域社会のために活かしていく。
それが、トイファクトリーがマルモビに込めている一つの想いなのだと思います。

私自身、現在マルモビに関わる中で、自治体の方々とお話をする機会が増えました。
「災害が起きたときに、何が必要なのか。」「普段からどう使えば、いざというときに本当に役立つのか。」
そんなことを、地域の方々と一緒に考える機会も増えています。

防災は、特別な誰かだけが考えるものではありません。
私たちが暮らす地域で、普段から使っているもの、普段からあるものを、少し違う視点で見てみる。
そこから、新しい防災の形が生まれるのかもしれません。

9月という防災を考えるこの時期に、ぜひ一度、ご自身の身の回りにある「いつものもの」を見渡してみてください。
もしかすると、普段楽しんでいるキャンピングカーも、地域を支える大切な存在になれるかもしれません。
トイファクトリーはこれからも、キャンピングカーで培ってきた技術と遊び心を活かしながら、日常ともしもの境界をなくしていく。そんなモビリティの可能性を追求していきます。

皆様がお住まいの地域にも、そう遠くない未来、トイファクトリーのマルモビが走っているかもしれません。
その一台が、普段の暮らしを支え、そしてもしものときには、誰かの安心につながる。
そんな未来を目指して、これからも挑戦を続けていきます。