ワールド・ソーラー・チャレンジ2011「ADELAIDE」
10月22日の朝、グレンダンボのコントロールポイントをクリアしたレキオンは最後のランを開始した。
そして午前11時。アデレードの町に近づくこの先は再び伴走トラックでの積載移動となる。 アデレードは水と緑の美しい町。
10月22日 午後2時。レキオンは市内にあるゴール地点の公園に入り3000kmのレースを無事完走した。
スタンフォードとデッドヒートを繰り返し、最終的にケンブリッジ、マサチューセッツ工科大学などをしのいで総合13位。
二日間の悪天候にはばまれて上位チームをさらにオーバーテイクすることは出来なかったが、出走37チームのなかでレキオンはその能力の高さを十二分に証明する結果を残した。
10月23日 日曜日 快晴。
レキオンは市内中心部に設けられたフィニッシュゲートに向けて、約2キロのビクトリーロードをゆっくりと進む。
フィニッシュラインではレキオンにTEAM OKINAWA のメンバーが徒歩で続き、市民、レース関係者などの歓呼のなかでゴール!
そのまま最終車検を受け、順位に従って並ぶ展示スペースにおさまった。
一位は前回に続き東海大学、二位はオランダのNUON、三位にはアメリカのミシガン大学が入った。
芦屋大学が四位にくいこみ、日本からの参加3チームは無事完走で上位入賞を果たした。
オーストラリア大陸縦断3000キロ。
砂漠、山火事、数十キロの直線ダウンスロープ、360度の地平線、そして満天の星たち。
スチュアートハイウェイで繰り広げられた国際レースは、我々に得難い体験を残して無事終了した。
沖縄の高校生たちは、自身が作った車が国際レースで通用することを見事に証明し、一人ひとりが明日に続く扉の鍵を手に入れたに違いない。
この先も、空を見上げ、強い太陽の光を感じるたびに、きっとオーストラリアの荒野と地表を撫でてくる熱い風を思い起こすことだろう。
またその記憶は、忘れていたチャレンジングスピリットに火をつける発火装置として、心の奥底に格納されたように思う。